CASAについて
Center for
Arts and
Sustainable
Activities
400年前の古地図がそのまま使えるサステイナブルシティ萩で、文化財指定を受けた推定築170年ほどの古民家が、アートや職人の手仕事、サスティナビリティに関わる商品や活動をご紹介する場として生まれ変わります。
江戸時代末期に建てられたこの建物は、典型的な商人の店舗兼住まいです。表には取り外し可能な「しとみ戸」が施してあり、この窓越しに客とやり取りをしていた、当時の姿がしのばれます。
明治期に入ると指物師の方が、工房兼自宅としてこの家に住まわれます。その方の作品を数点継承しておりますので、合わせてご覧くださいませ。
太い丸太をそのまま生かした梁は、ヤニを出し続け、今も生きています。きちんとした材料で建てれば、木の家はなん百年も生き続け、持ち主が変わっても、家の命は受け継がれていきます。
このまっすぐなところが一つもない家にしばらくいると、適材適所という言葉の本当の意味を考えさせられます。どんな人も「ありのまま」「そのまま」でいい、と木が語りかけてくれるようです。
「ゆらぎ」という言葉の意味についても深く考えさせられます。どの材料も、どの建具も、ここでは家のゆらぎに合わせて調整されています。
効率主義で経済は膨らんだかもしれませんが、いま、人々も地球もすっかり疲弊しています。「ありのまま」「ゆらぎ」を心に留め置けば、おのずと暮らしにゆとりが生まれるでしょう。
街全体が物語の舞台のように、ありし日の姿をとどめる美しい萩の地において、そんなことなどを、みなさまと共に考えていかれる家(CASA)になれれば幸いです。